【簡単】シュレーディンガーの猫とは|観測問題を解説

シュレーディンガーの猫とは|観測問題を解説 量子力学

「シュレーディンガーの猫って何? 半死半生の猫は存在するの? そもそも観測するって何? 量子力学ってなんだか難しいな…

こういった疑問に物理学修士の筆者が答えます。

結論

シュレーディンガーの猫はオーストリアの物理学者、エルヴィン・シュレーディンガーが考えた、思考実験です。シュレーディンガーの猫で「半死半生の猫」が存在していまうパラドックスは未だに解決されていません。詳細は本記事にて解説します。

本記事の参考文献

本記事の内容

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1.コペンハーゲン解釈

コペンハーゲン解釈

シュレーディンガーの猫を理解する上で「コペンハーゲン解釈」は必須の知識で、コペンハーゲン解釈とは「確率解釈」と「波の収縮」を合わせた理論です。まずは「確率解釈」から説明します。
電子のようなミクロな粒子の位置は、人間が観測するまで特定できません。つまり電子がどこにいるかはルーレットで決まるのです。私たちの日常で接するような大きなモノの場合、モノがどこにあるかルーレットで決まるなんてありえないと思います。しかし、量子論で扱うようなミクロな世界では、こういった常識では考えられない現象がたくさん起きます。このような確率で状態が決まる現象を「確率解釈」といいます。
次に「波の収縮」を説明します。下写真のように電子は「複数の状態が共存した状態」を取ります。下写真では、電子の色が薄いところでは電子の存在確率が低く、色が濃いいところでは電子の存在確率が高いです。つまりこのルーレットには、当たる確率が高いところと、低いところがあるという意味です。そして、人間が測定器などで観測した途端、下写真のように確率に従って1つに収縮します。このような電子の状態が収縮する現象を「波の収縮」といいます。
そして「確率解釈」と「波の収縮」を合わせた理論をコペンハーゲン解釈といいます。

アインシュタインはこのコペンハーゲン解釈を「神はサイコロ遊びをしない。」と批判しました。これは「量子論のコペンハーゲン解釈が正しいなら、全知全能の神でさえ、電子がどこに存在するかわからないことになる」と考えたからです。しかし、現在ではコペンハーゲン解釈が主流となっています。
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2.シュレーディンガーの猫とは

シュレーティンが―の猫とは

冒頭で説明した通り、シュレーディンガーの猫とはオーストリアの物理学者、エルヴィン・シュレーディンガーが考えた、思考実験です。
シュレーディンガーの猫では上の写真のように、箱の中には猫、放射線検出器、毒ガス発生装置、2分の1の確率で放射線を出す放射性物質が入っています。

もし2分の1の確率で放射線が出ると→放射線検出器が検知して→毒ガス発生装置から毒ガスが流れ→猫が死にます。放射性物質は原子核の崩壊というミクロな現象で起きるので、コペンハーゲン解釈では人間が観測するまで、原子核が「崩壊している状態」と「崩壊していない状態」が共存しているのです。「崩壊している状態」もあるということは、猫が死んでいる状態もあるということです。つまり箱の中の猫は生きている状態と死んでいる状態の「半死半生状態」なのです。
皆さんもご存じの通り、半死半生の猫は存在しないのですが、コペンハーゲン解釈を推し進めると、箱を開けて人間が観察するまでは死半生の猫は存在するという結論になるのです。
この思考実験のことを「シュレーディンガーの猫」といい、このパラドックスは未だに解決されていません。

シュレーディンガーの猫の解決策に「多世界解釈」というものがあります。多世界解釈とは「確率の数だけ世界が分岐する」という理論です。つまりシュレーディンガーの猫場合、猫が死んでる状態と生きている状態の2つの世界に分岐しているという解釈できるのです。

3.観測問題

シュレーディンガーの猫の観測とは

観測するとは、ミクロな現象をマクロなモノに反映させることです。例えば、私たちは電子の位置など、ミクロな現象を目でみることができません。そこで測定器の指針やデジタル表示など、人間の目で見れるマクロなモノで確認して、電子の位置を特定することができます。シュレーディンガーの猫では、原子核の崩壊を検出器が反応した瞬間に共存は収束しているという主張もあれば、箱を開けて人間の目で見て始めて観測されると主張する人もいます。一般的にはノイマンとウィグナーの「人間の意識、あるいは自我のようなものが波を収束させる」という理論が有力です。つまりこの考えでは箱を空けた瞬間に収束するのです。
原子核の崩壊を検出器が反応するということは、検出器が電磁波などの力を原子核に及ばしているので「力を及ばした瞬間に電子が収束するのではないか」と主張する人もいますが、実はそんなに単純な問題ではないのです。
例えばフラーレンという物質は原子60個で構成された分子で、共存することが確認されています。そもそもフラーレンは電磁気力で原子同士が結合していて、さらにそれらの
原子核は陽子と中性子が強い力によって結びついているのです。つまりフラーレンは力(重力、電磁気力、強い力)の影響を常に受けているにも関わらず、共存できているのです。したがって「力を及ばした瞬間に電子が収束するのではないか」という理屈は否定されてしまうのです。
また全く力を及ばさずに観測できる方法もあります。それは「量子もつれ」という現象を利用する方法です。量子もつれ状態の2つの電子は、どちらかの状態が決まるともう1つの状態も決まります。つまり、電子Aと電子Bがあるとして、電子Aの状態を測定したら、電子Bの状態は観測しなくても知ることができ、電子Bには全く力を及ぼさなくていいのです。このように量子もつれを利用した実験でも力は波の収縮に関係ないことがわかっているのです。

4.ウィグナーの友達

ウィグナーの友達とは「人間の意識が波を収縮させると考えると、猫の入った箱を空けた友達に電話でその生死を聞かされた人の世界では、生死を聞かされた瞬間に波収束する」という理論です。つまり、友達自体が測定器の一環と見なすことができるのです。この理論では友人の行動も複数の可能性がいりまじった確率的状態にある可能性もあるのです。

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