【簡単】量子もつれとは|量子力学の基礎から解説

量子もつれとは|量子力学の基礎から解説 量子力学

「量子もつれって何? 量子力学の基本を知りたい。 量子もつれでテレポートできるって本当? 物理学って何だか難しそうだな…」

こういった疑問に物理学修士の筆者が解説します。

結論

量子もつれとは2つ以上の系があったとき、全体の系が量子力学的に確定しているにも関わらず、それぞれの部分系の状態は確定していない状態です。これだけでは意味不明なので、詳細は本記事にて解説します。

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量子もつれとは

量子もつれとは

量子もつれとは2つ以上の系があったとき、全体の系が量子力学的に確定しているにも関わらず、それぞれの部分系の状態は確定していない状態です。量子もつれは結晶にレーザーを打ち込んだり、原子が崩壊すると起こります。これだけでは理解不能なので、まず量子力学の基本的な知識を紹介した後に量子もつれの意味を解説します。

量子力学の基本

量子力学の基本には以下のような5つエッセンスがあります。量子力学で扱うようなミクロな世界では現実ではありえないことが起きるので、5つのエッセンスで「ミクロな世界ってそんなもんか」と慣れてもらえればと思います。

物理量の量子化

物理量の測定結果は連続的な値とは限らず、非連続な値となります。どの値を取れるかは物理量によります。例えば量子力学で扱うようなミクロな世界では、大きさ、重さ、エネルギーといった物理量を「0.1」、「0.01」、「0.001」、「0.0001」といったように細かくするのは不可能なのです。つまり上写真のように私たちの日常的な現象はアナログ時計のように連続に見えますが、量子力学で扱うようなミクロな世界はデジタル時計のように飛び飛びの値しか存在しないのです。

測定結果の確率性

物理量の測定結果は統計的にバラつき、どの測定結果になるかは確率的に決まります。例えば電子のような小さなものの位置(物理量)を測定しようとすると必ず確率に従って位置が決定されます。ここで面白いのが測定誤差がこのバラツキを生んでる訳ではないということです。例えば電子の1個を測定するには電子のような小さな粒をぶつけて測定しなければなりません。しかし、電子に電子をぶつけると電子の位置(物理量)が最初と変わってしまって(測定誤差が発生して)正確な位置が測定できないのです。しかしここでいう「測定結果の確率性」とはそういった測定誤差とは別に確率で変動する値のことを指します。アインシュタインはこの確率性が信じられないから「神はサイコロを振らない」といいましが、実際には「神はサイコロを振る」のです。

測定後の状態収縮

測定後の系の状態は、測定した物理量の確定した特定の状態になって収縮します。系とは電子のような量子1個を系といったり、2個以上をまとめて系といったりします。先ほど説明したように電子のようなミクロなものは確率で存在していて、測定すると確率に従って位置が決まります。上写真のように、この位置が決まる瞬間を「状態の収縮」といいます。また電子のような粒が確率で存在していて、測定されると1つの位置に収束するという理論を「コペンハーゲン解釈」といいます。

不確定性原理

2つの物理量を測定したとき、それぞれの測定結果の統計的なバラツキを0にすることはできません。例えば野球ボールのよう大きなものは位置(物理量)と速度(物理量)を同時に決めることができますが、電子のようなミクロなものは位置と速度は同時に測定することができず、位置を測定すると速度が曖昧になり、速度を測定すると位置が曖昧になるという性質を持っています。

重ね合わせの原理

系が2種類あるときそれらを重ね合わせた状態も存在します。例えば電子は時計回りと反時計回りで回転(スピン)の2パターンの状態を取ることができます。このように2パターンの選択肢を持っているときは時計回りと反時計回りで分身して重なることができるのです。

量子もつれ

量子もつれ

量子もつれとは2つ以上の系があったとき、全体の系が量子力学的に確定しているにも関わらず、それぞれの部分系の状態は確定していない状態です。状態とは例えばどっちに回転(スピン)しているかといったものです。例えばサッカーボールが2つの全体の系があるとします。サッカーボールのような大きなものであれば、全体の系の回転方向がわかればサッカーボール1個1個の回転方向も分かります。しかし、電子2個のようなミクロなものは、全体の系の回転方向がわかったとしても、電子1個1個の回転方向はわからない場合があり、その場合を量子もつれというのです。細かく説明すると、電子のような量子は時計回りと反時計周りの2パターンの回転方向を取ることができます。しかし「重ね合わせの原理」により、2つの電子AとBは時計回りと反時計周りの2パターンの状態を取ることができます。さらにx方向、y方向、z方向とそれぞれに回転方向を持っており、観測する向きによってどの回転方向が確定するかが決まります。ここでx方向の時計回りをx+、反時計回りをx-と置いて、電子Aの状態がx+、電子Bの状態がx-で測定でわかったとします。これを1つの系と見なすと、この系は確定していることになります。ここで重ね合わせにより電子Aにx-、電子Bにx+の状態が合わさって、新たな状態を作ります。すると全体としては「電子Ax+、電子Bx-」と「電子Ax-、電子Bx+」が重ね合わせた状態として確定していることになります。しかし、電子Aを測定すると量子もつれがとけ、電子Aはx+、x-のどちらか一方の状態に1/2の確率でなり、電子Bは電子Aとは逆の方向になるのです。つまり、重ね合わせにより全体としては確定しているが、個々の系としては確定していない「量子もつれ状態」となっていたのです。

量子テレポート

量子もつれ状態の電子Aを日本、電子Bをアメリカに持っていきます。そして電子Aの状態を確定させると電子Bの状態も確定することになります。一見当たり前のように見えますが、アインシュタインの特殊相対性理論によると光の速度を超えた移動は不可能なため、一瞬でAの状態結果をBに伝えるような現象は起きてはいけないのですが、量子もつれの物質はそのような現象は起きているのです。量子テレポートはこの量子もつれの性質を活かして、一瞬で送りたい物のデータを転送、そして転送されたデータを基に造形を行うというものです。例えば現在ではAMAZONのような宅配が当たり前となっています。しかし量子テレポートがさらに進化すると、上写真のように欲しい商品がその場で量子テレポートによって造形されるなんてことがありえるかもしれないのです。ちなみに量子テレポートの転送側の商品は量子テレポートが完了すると潰れてしまいます。一見万能そうに見える量子テレポートですが、人間を転送するとその人のアイデンティティや魂は保つことはできるかなどの問題がでてきます。

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