【簡単】100万気圧の世界|酸素が金属になる理由

【簡単】100万気圧の世界|酸素が金属になる理由 量子力学

「100万気圧の世界ってどんなの? 宇宙の圧力ってどれくらい? 酸素が金属や超電導になるって本当?  酸素が金属になる理由を知りたい。 黒鉛に圧力をかけるとダイヤモンドになる? 物理学って何だか難しそうだな…」

こういった疑問に物理学修士の筆者が答えます。

結論

100万気圧の世界では、酸素が金属になり、さらに超電導状態(電気抵抗0)になります。詳細は本記事にて解説します。

本記事の参考文献

本記事の内容

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圧力とは

圧力とは物を押す力のことで、力との違いは面積が関係あるかないかです。力は面積に関係なく一定ですが、圧力は面積が大きくなるほど小さくなる傾向にあります。みなさんの日常で使う圧力単位といえば、天気予報で用いられる「hPa」、大気圧である「気圧」が多いと思います。ここでは単位を「気圧」に統一して「宇宙の圧力」、「10万気圧の世界」、「酸素が金属になる理由」、「黒鉛とダイヤモンド」をそれぞれ解説します。

宇宙の圧力

宇宙の圧力

宇宙の圧力は上表のように、密度が大きい天体ほど圧力が高くなり、真空に近いほど圧力が低くなります。例えば一番圧力の大きい中性子星とは、太陽の8倍~30倍の星が寿命で大爆発した後に残った硬い芯の部分で、直径20kmほどなのに太陽並みの質量を持っています。当然それくらいの密度であれば1025気圧、1cm3あたり10億トンと圧力も大きいのです。また白色矮星も密度が大きい天体で、白色矮星は太陽の3倍~8倍の星が寿命で縮退圧という圧力によって縮んだ天体です。白色矮星は地球の大きさで太陽ほどの質量を持ち、1015気圧、1cm3あたり1トンと圧力も大きいのです。
逆に銀河と銀河の間はほとんど物質が存在しない真空状態で、1km3あたり原子1個しかなく、その分圧力は小さいです。ちなみに人工では核エネルギーの利用により10-10気圧まで小さくすることに成功しています。

100万気圧の世界

100万気圧の世界

上写真のようにダイヤモンドで物質を圧縮すると100万気圧に達することができます。100万気圧を超えると例えば酸素は金属になり、さらに温度を0.6kまで下げると超電導状態になります。
またケイ素やゲルマニウムは半導体ですが、これらも10万気圧を超えれば金属になります。高圧化で超電導状態になる物質はこれらを含めて20種類にもなり、今後も増え続けると予想されています。
ちなみに水素の金属化は発見されておらず、500万気圧かけないと金属化しないのではないかや、木星内部の水素は金属化しているのではないかなど、化学だけでなく、宇宙の分野でも期待されています。

酸素が金属になる理由

酸素が金属になる理由

酸素が金属になる理由は、原子間の距離にあります。上写真はわかりやすいように水素の原子をモデルにしました。本来であれば1つの原子核の周りを1つの電子が回っています。圧力が大きくなればなるほど、原子間の距離が近くなってやがて分子になります。さらに距離が近くなると水素分子は不安定になって、1つの電子が複数の原子核の周りを回るようになります。これは金属にある自由電子の特徴と同じです。このよう圧力が大きくなると原子間の距離が近づき、やがて金属の性質があらわれるようになるのです。

黒鉛とダイヤモンド

黒鉛とダイヤモンド

漫画『範馬刃牙』で範馬勇次郎が黒鉛を握りしめてダイヤモンド作った話は有名です。本当にこのようなことができるのでしょうか。黒鉛に圧力をかけるとダイヤモンドになります。必要な圧力は温度に依存し、上表のように-273℃(絶対零度)であれば、2万気圧でOKですが、1000℃であれば、倍の4万気圧必要です。ただし、これは炭素に触媒を入れた場合で、実際はもっと大きな圧力が必要になります。

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