
「モジュール型製品やインテグラル型製品って何? 日本企業はモジュール型製品?それともインテグラル型製品? モジュール型製品やインテグラル型製品で儲かる企業を知りたい 経営学ってなんだか難しそうだな…」
こういった疑問に経営学修士(MBA)の筆者が答えます。
結論
モジュール型とは組み合わせで製品を作り、インテグラル型とは擦り合わせで製品を作る企業です。詳細は本記事にて解説します。
本記事の内容
モジュール型とインテグラル型の違い
モジュール(組み合わせ)型製品とは部品間のインターフェイスを標準化して、各部品を寄せ集めて多様な製品を作る方式です。簡単にいうと特別な部品を使わず、どこにでも売っている共通の部品で作っています。逆にインテグラル(擦り合わせ)型製品とは部品設計を相互調整することにより製品ごとに最適設計して製品を作る方式です。
インテグラル型製品のメリット・デメリット
メリット
- システム全体7が無駄なく設計できる。
- 小型化や軽量化など、プロダクト・インテグリティ(製品統合性)を必要とする設計に適している。
- 競合他社によるシステムの模倣が困難であるため、競争優位を確保しやすい。
デメリット
- システムの部品同士に機能の相互依存があるため、調整コスト、開発コストがかかる。
- 部品の変更が難しい。
- システムの多様性が生まれにくい。
モジュール型製品のメリット・デメリット
メリット
- 構成要素間の調整が不要なためコスト削減ができる。
- システムの多様性を容易に確保できるため、様々な組み合わせが可能となる。
デメリット
- 各インターフェイスを長期間固定する必要があるため、インターフェイスの進化が抑制される。
- インターフェイスに汎用性を持たせる必要があるため、全体のシステムに無駄が生じることがある。
クローズド・インテグラルやオープン・モジュールとは

クローズドやオープンは技術を標準化しているか、囲い込んでいるかを表し、インテグラルやモジュラーは製品に汎用品が使われているかを表しています。上表のように、クローズド・インテグラルには「乗用車、オートバイ、ゲームソフト、軽薄短小家電」、クローズド・モジュラーには「メインフレーム、工作機械、レゴ」、オープン・モジュールには「パソコン、インターネット、自転車」が例としてあげられます。
モジュール型製品やインテグラル型製品で儲かる会社

表は自社製品がインテグラル型製品かモジュラー型製品か、また客先がインテグラル型製品かモジュラー型製品を表しています。この4類型で一番儲かるのは中(自社)インテグラル・外(客先)モジュラーの組み合わせです。つまり「インテル、シマノ、信越化学、村田製作所」といった企業では高付加価値の製品を生産しており、それらの客先は薄利多売を行っているので、めちゃめちゃ儲かるのです。
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