【簡単】アローの不可能性定理とは|民主主義の闇

アローの不可能性定理とは|民主主義の闇 経済

「アローの不可能性定理って何? 民主主義に独裁者がいるって本当? アローはどうやって数学モデルを作ったの? 経済学って何だか難しそうだな…」

こういった疑問に経営学修士(MBA)の筆者が答えます。

結論

不可能性定理とは米数理経済学者ケネス・ジョセフ・アロウ(1921~2017)が提唱した「3つ以上の選択肢がある場合、個人の選好を総合しても社会全体の選好はつくれない」という理論です。詳細は本記事にて解説します。

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本記事の内容

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アローの不可能性定理とは

アローの不可能性定理とは米数理経済学者ケネス・ジョセフ・アロウ(1921~2017)が提唱した「3つ以上の選択肢がある場合、個人の選好を総合しても社会全体の選好はつくれない」という理論です。これにより完全に民主的な社会的決定方式が存在しないことを証明しました。アローはその後1972年にノーベル経済学賞を受賞しています。

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アローの不可能性定理の条件

アローの不可能性定理

アローの不可能性定理の条件は2つの条件を前提としてます。1つは個人選好の条件で、もう1つは民主主義の条件です。それぞれを解説します。

アローの不可能性定理の個人選好2条件

アロウは一般的な個人の選好を考えて、少なくとも合理的な個人選好は「1.選好の連結律」と「2.選好の推移律」の二つの条件を満たさなければならないと考えました。「1.選好の連結律」とは、いかなる選択肢に対しても、個人はそれを比較し選好順序をつけることができるという条件です。例えば、選択肢にXとYがあるとすると、XをYよりも好む(X>Y)、もしくはYをXよりも好む(Y<X)のどちらかが必ず成立するということです。
「2.選好の推移律」とは、もし個人がXをYよりも好み(X>Y)、YをZよりも好む(Y>Z)ならば、XをZよりも好まなければならない (X>Z)という条件です。

アローの不可能性定理の民主主義4条件

次にアロウは、民主主義社会に必要不可欠な、「①個人選好の無制約性」、「②市民の主権性」、「③無関係対象からの独立性」、「④非独裁性」の4つの条件を定式化しました。

「①個人選好の無制約性」は社会を構成する個人の選好は自由であり、いかなる制約も設けないと保証するものです。つまり、個人は与えられた選択肢に対して、好きな順に自由に選べるということです。

「②市民の主権性」は社会を構成するすべての個人が一定の選好を示したら、その選考は社会的決定でなければならないとするものです。つまり、全員がXよりもYを選べば、社会もYを選ばなければならないということです。

「③無関係対象からの独立性」は2つの選択肢の選好順序は、他の選択肢の影響を受けないということです。例えば、もし個人がXよりもYを好めば、新たな選択肢Zを追加したとても、やはりXよりもYを選ばなければならないという条件です。

「④非独裁性」とは民主主義社会に独裁者は存在しないということです。例えば、ある特定個人の選好順序が、他の個人の選好順序にかかわらず社会的決定となることはないと保証するものです。

アローの不可能性定理の結論

アローの不可能性定理では、2つの条件、もしくは4条件に必ず矛盾が生じることを結論づけています。例えば「1.選好の連結律」を満たし、社会が4つの条件を満たす場合には、個人の「2.選好の推移律」が成立しません。つまり、ある個人がXをYよりも好み(X>Y)、YをZよりも好む (Y>Z)にもかかわらず、ZをXよりも好む(Z>X)という矛盾が発生する可能性があるのです。
他にも個人が2つの選好条件を満たし、社会が①~③の条件を満たす場合は、「④非独裁性」に矛盾します。すなわち、その社会には必然的に独裁者が存在することになるのです。

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