【簡単】素粒子の種類22選|未発見素粒子も解説

素粒子の種類22選|未発見素粒子も解説 量子力学

「素粒子はどんな種類があるの? レプトンやクォークとは? 力の粒子って何? 仮想粒子にはどんなものがあるの? 物理学って何だか難しそうだな…」

こういった疑問に物理学修士の筆者が答えます。

結論

素粒子の種類は大きく分けて物質を構成する「レプトン」と「クォーク」、そして重力や電磁気力といった力の基である「力の粒子」の3種類が存在します。詳細は本記事にて解説します。

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本記事の内容

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素粒子の種類

素粒子の種類一覧

上表のように素粒子は大きく分けて、物質を構成する「レプトン」と「クォーク」、そして重力や電磁気力といった力の基である「力の粒子」の3グループが存在します。現在発見されている17種類の素粒子と、発見はされていないものの理論上存在可能な仮想粒子をグループごとに解説します。

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レプトン

レプトンは電子やニュートリノなどの素粒子で、クォークと違って強い力(クォーク同士が結びつく力)の影響を受けません。レプトンの種類には電子、電子ニュートリノ、ミュー粒子、ミューニュートリノ、タウ粒子、タウニュートリノがあります。それぞれの詳細は以下に述べます。

電子

電子は電荷-1e、質量0.511MeV、スピン1/2の素粒子で、原子核の周りを回ることで元素を構成しています。金属に電圧をかけると金属中の電子が流れ、電流となります。また電子は他の電子に近づくと光子を渡します。この光子の受け渡しが電気的な斥力(電磁気力)を生み出しているのです。ちなみにミクロな視点で見ると、電気的な斥力(電子たち)のお陰で私たちは何かを手に持ったり、バットでボールを打つことができるのです。

電子ニュートリノ

電子ニュートリノは電荷0、質量2.0×10-6MeV、スピン1/2の素粒子です。1956年、米物理学者フレデリック・ライネスとクライド・カワン・ジュニアが電子ニュートリノを発見しました。ニュートリノは弱い力と、それより弱い重力にしか影響されないため、大量にニュートリノを発生させる原子炉を使って検出が行われました。

ミュー粒子

ミュー粒子は電荷-1、質量105.7MeV、スピン1/2の素粒子です。1947年、英物理学者セシル・パウエルらのグループは、パイ中間子(陽子や中間子同士を結ぶ粒子、正体はグルーオン)が、やや軽い粒子に崩壊し、その粒子が電子に崩壊するのを発見しました。このやや軽い粒子がミュー粒子であり、 パイ中間子は「強い力」に影響されますが、ミュー粒子は「強い力」に影響されないことから違う粒子だとわかったのです。
またミュー粒子の本来の寿命が1μ秒(100万分の1秒)と一瞬ですが、超高速で飛んでいるため特殊相対性理論の効果により、寿命が50倍も伸びているように見えるのです。

ミューニュートリノ

ミューニュートリノは電荷0、質量0.19MeV、スピン1/2の素粒子です。ミューニュートリノは大気上層で起こる宇宙線の衝突などで発生します。また電子ニュートリノが「ニュートリノ振動」を起こすことによってミューニュートリノに変化します。

タウ粒子

タウ粒子は電荷-1、質量1776.8MeV、スピン1/2の素粒子です。1975年、アメリカの物理学者マーティン・パールが電子と陽電子の衝突実験を行った際に、タウ粒子と反タウ粒子が生成されるのを発見しました。

タウニュートリノ

電子は電荷0、質量18MeV、スピン1/2の素粒子です。2000年にフェルミラボのグループがタウニュートリノを発見しました。電子ニュートリノやミューニュートリノ「ニュートリノ振動」を起こすことによってタウニュートリノに変化します。

クォーク

クォークとは原子核を構成する素粒子で、宇宙初期の超高温状態ではクォークはバラバラに飛び交っていました。しかし現在では「強い力」によって結びつけられるため、単体では存在できません。クォークの種類にはダウンクォーク、アップクォーク、ストレンジクォーク、チャームクォーク、トップクォーク、ボトムクォークがあります。各クォークの詳細は以下に解説します。

ダウンクォーク

ダウンクォークは電荷-1/3e、質量4.5~5.5MeV、スピン1/2の素粒子で、トップクォークと共に陽子や中性子の材料となっています。例えば水素原子は原子核の周りを電子が回っており、その原子核は陽子と中性子でできています。その陽子と中性子はダウンクォークとトップクォークからできているのです。

アップクォーク

アップクォークは電荷2/3e、質量1.8~3.0MeV、スピン1/2の素粒子で、ダウンクォークと共に陽子や中性子の材料となっています。

ストレンジクォーク

ストレンジクォークは電荷-1/3e、質量90.0~100.0MeV、スピン1/2の素粒子です。

チャームクォーク

チャームクォークは電荷2/3e、質量1275.0MeV、スピン1/2の素粒子です。チャームクォークは1974年にSLAC国立線形加速研究所とブルックヘブン国立研究所によって発見されました。

ボトムクォーク

ボトムクォークは電荷-1/3e、質量4200.0~4600.0MeV、スピン1/2の素粒子です。ボトムクォークは1977年にフェルミ国立加速器研究所によって発見されました。

トップクォーク

トップクォークは電荷2/3e、質量174000.0MeV、スピン1/2の素粒子です。トップクォークは1995年にフェルミ国立加速器研究所によって発見されました。

力の粒子

力と聞いてみなさんは重力や電磁気力を想像すると思いますが「弱い力」のように粒子を別の粒子に変化させる能力も力の1種類なのです。これらの力は必ず「力の粒子」を渡したり、受け取ったりすることで発生します。力の粒子の種類にはグラビトン、W粒子、Z粒子、電子、グルーオン、ヒッグス粒子などあります。それぞれの詳細は以下に解説します。

グラビトン

グラビトンは電荷0e、質量0MeV、スピン2の重力を媒介する未発見素粒子です。重力は他の力に比べて遥かに弱く、例えば電磁気力が1だとすると10-36にしか満たないのです。超ひも理論によるとグラビトンは他の力の素粒子と違って4次元空間以上を行き来できるので、力が弱いとされています。ちなみにグラビトンは質量が0で、光速で飛び回るため、重力波無限遠にも届くのです。

W粒子

ウィークボゾン

W粒子(ウィークボゾン)は電荷1e、質量80400MeV、スピン1の弱い力を媒介する素粒子です。弱い力とはベータ崩壊を引き起こす力で、電磁気力より弱いことから弱い力と名付けられました。厳密にいうとダウンクォークがニュートリノにW粒子を渡すと、ダウンクォークがアップクォークになり、ニュートリノが電子になります。このように素粒子の種類を変化させる力が弱い力なのです。ちなみに電磁気力が1とすると弱い力は10-4となります。ちなみに光子や重力子と違い質量が重いため、10-18mほどしが力が届きません。

Z粒子

Z粒子は電荷0e、質量91190MeV、スピン1で、W粒子と同様に弱い力を媒介する素粒子です。「新粒子はこれで打ち止めである」という意味を込めて、アルファベットの最後の文字のZがつけられました。電子はZ粒子をニュートリノに渡します。しかしW粒子と違って、電子やニュートリノは変化しません。

光子

光子は電荷0e、質量0V、スピン1の電磁気力を媒介する素粒子です。電子に電子が近づくと、片方の電子が光子を放出して、もう一方の電子が光子を受け取ります。それが電磁気力の正体です。光子は質量が0なので、常に光速度で移動します。光子はさまざまな相互作用によって頻繁に生成、消滅を繰り返すため宇宙全体で膨大な数が存在します。ちなみに光子はグラビトン同様に質量が0で、光速で飛び回るため、重力波無限遠にも届くのです。

グルーオン

グルーオン

グルーオンは電荷0e、質量0V、スピン1の強い力を媒介する素粒子です。陽子や中性子が結びつくと原子核を構成するのですが、それらを結びつける力が強い力なのです。また陽子や中性子の材料でもある3つのクォークを結びつける力もこの強い力の相互作用なのです。核力電磁気力より強いことから強い力と名付けられました。電磁気力が1とすると強い力は106となります。ちなみにグルーオンは距離が離れるほど強くなるという不思議な性質を持っており、最大の距離は10-15mほどです。2つのクォークを10-15m離した場合、1トンの重量を持ち上げられるほどの強い力が発生するのです。

ヒッグス粒子

ヒッグス粒子は物質に質量を与える素粒子です。質量とは物質の動かしにくさを表している指標で、光子は質量0なので光速で移動することができます。電磁場は電荷をもった粒子に電磁力を与えるように、ヒッグス場はヒッグス荷を持った粒子に質量を与えます。
ちなみに私たちの質量の1%はヒッグス粒子によって与えられ、残りの99%は強い力によって与えられます。というのもアインシュタインの有名な式「E=mc2」では質量とエネルギーが等価であるとしたように、強い力(エネルギー)が私たちの質量を与えているのです

仮想粒子

仮想粒子とは存在は確認されていませんが理論上存在可能な粒子です。仮想粒子の種類にはタキオン、ファントム、アクシオン、インフラトンなどがあります。詳細は以下に解説します。

タキオン

タキオン

タキオンは仮想の特殊な素粒子で、光速度を特殊相対性理論に矛盾せず超えることができると想定されています。アインシュタインの特殊相対性理論で有名な式E=mc2のようにE:エネルギー(速度)が大きくなればなるほどm:質量が大きくなります。この計算では速度が光速度に到達すると質量が無限大になるため、いくらこれ以上力を加えても、速度が光速度を超えられないのです。しかしタキオンは質量が虚数と仮定することにより光速度を超え、時間を逆戻りすることができるのです。詳細は上写真の式をご覧ください。つまりもしタキオンで出来た乗り物に乗って数年間宇宙旅行をすると、地球に帰ってくるころには10年前の地球に戻ってきたといったようなことが起きるかもしれません。

ファントム

ファントムはω<1の仮想粒子です。物質やエネルギーの圧力を密度で割ったωという値があります。この値の+が大きければ大きいほど、押したら押し返され、逆にーが大きければ大きいほど 押したら凹んでいきます。光子はω=1/3なので、押しら少し押し返され、クォークなどフェルミオンはω=0なら押した分だけ押し返されます。またダークエネルギーはω=ー1なので、押したら凹みます。ファントムはω<1のため、押したらダークエネルギー以上に押し返さるという仮想粒子なのです。詳しい説明は割愛しますが、ファントムが実在すると「サイクリック宇宙論」が可能になります。サイクリック宇宙とは「私たちの宇宙は膨張と収縮を何回か繰り返した後の宇宙」という理論なのですが、ファントムがないと成立しない理論なのです。

アクシオン

アクシオンは質量は非常に軽いものの、速度は遅い素粒子で「ダークマターの正体ではないか」と発見が期待されている素粒子です。アクシオン強い磁場の影響を受けるほど光子に変わる確率が上がるという性質を持っています。仮にアクシオンがダークマターだとすれば、1兆個/m3の密度で存在することになります。

インフラトン

宇宙は加速膨張をしています。この加速膨張を起こしたのがインフラトンという未発見の素粒子で、その加速膨張に必要なエネルギーがダークエネルギーとされています。

X粒子

X粒子は陽子と陽電子、反陽子と電子を変換するような仮想粒子です。このX粒子の影響で宇宙初期のころに同数存在した物質と反物質のバランスが崩れて、現在宇宙はほとんど物質しか存在しないとされています。

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