【簡単】ダイナミック・ケイパビリティとは|事例解説

ダイナミック・ケイパビリティとは|事例解説 経営戦略

「ダイナミック・ケイパビリティって何? ダイナミック・ケイパビリティに必要な能力を事例で知りたい 経営学ってなんだか難しそうだな…」

こういった疑問に経営学修士(MBA)の筆者が答えます。

結論

ダイナミック・ケイパビリティとはバーニーの経営資源の考え方を動的(ダイナミック)に組み直そうというものです。詳細は本記事にて解説します。

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本記事の参考文献

本記事の内容

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ダイナミック・ケイパビリティとは

ダイナミック・ケイパビリティとは

ダイナミック・ケイパビリティとはカリフォルニア大学バークレー校ハース・ビジネススクール教授デビット・J・ティースが提唱した理論で、バーニーの経営資源の考え方を動的(ダイナミック)に組み直そうというものです。
簡単に言うと、「経営資源(ヒト・モノ・カネ・チエ)」を時代に合わせて、その都度最適にしようという理論です。ダイナミック・ケイパビリティは「1.感知する」、「2.捕捉する」、「3.変革する」といった3つの能力から成り立っています。

ティースは「1990年以降の日本経済の弱体化は、ダイナミック・ケイパビリティの弱さに起因する」と述べています。
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ダイナミック・ケイパビリティ3つの能力

ダイナミック・ケイパビリティ3つの能力

ダイナミック・ケイパビリティ3つの能力を、Apple、富士フィルム、ナガサワ文具センターの事例で解説します。

Appleの事例

今ではGAFAの一角のエクセレントカンパニーとして扱われているAppleですが、1990年代は赤字経営でした。しかし、一度追放したジョブズを再度CEOに就任させて、2001年にiPodをリリースしてからは成績は上昇の一途をたどりました。Appleのダイナミック・ケイパビリティ3つの能力について解説します。

1.感知する

2000年初頭、当時はハードディスクを搭載したmp3プレイヤーが出始めていましたが、容量は小さく、あまり普及していなかったです。
そこでジョブズはSONYに共同開発を持ちかけましたが、交渉は決裂しました。
SONYはメモリースティック型のworkman(NW-MS7)を制作するという時代の逆を行ったのです。
それを見てジョブズは「SONYがmp3をやらないなら市場を独占できる」と思いました。

2.捕捉する

捕捉する能力とは、既存の経営資源を組み合わせて再利用する能力です。
ジョブズはAppleにあるコンピュータ(ハードディスク、メモリ、OS、アプリなど)の技術とmp3を加えて、音楽が聴ける小さなコンピュータを作れてないかと考えました。

3.変革する

変革する能力とは新しく組み合わせにより、新たな競争優位性を確立する能力です。
ジョブズは大容量でおしゃれなiPodという商品を発表しました。今までは容量が小さかったmp3プレイヤーや外付けメモリを必要とするその他音楽プレイヤーと違い、より便利に音楽を聴けるようになりました。

富士フィルムの事例

日本企業が低迷する中、富士フィルムは突発的な危機にも果敢に対応して、強みを組み替え、危機をチャンスに変えて成長した企業です。富士フィルムのダイナミック・ケイパビリティ3つの能力について解説します。

1.感知する

2000年、写真フィルム事業で利益を出していた富士フィルムですが、カメラはデジタルに置き換わりつつあり、写真市場の95%が消滅すると予測されました。

2.捕捉する

富士フィルムは自社の強みを洗いだし、写真に必要な微細粒子を扱うナノテクノロジーなど、コアな技術を洗い出しました。

3.変革する

富士フィルムはコア技術からアンチエイジング化粧品「アスタリフト」や液晶保護フィルムなどの高機能材料で事業展開し、企業成長しました。

ナガサワ文具センターの事例

万年筆需要が低下するのか、ナガサワ文具センターは万年筆ブランド「KobeINK物語」を企画、販売することで急成長を遂げました。ナガサワ文具センターのダイナミック・ケイパビリティ3つの能力について解説します。

1.感知する

阪神・淡路大震災から10年が経ったころ、開発者の竹内氏は「お世話になった人に手紙を書こう」と思いました。しかし、当時の万年筆の色は黒色、紺色、青色しかありませんでした。そこで竹内氏は「神戸の街をインクの色で表現したい」と思い立ち、「六甲グリーン(深緑色)」などのオリジナル色の開発に踏み入りました。

2.捕捉する

竹内氏は神戸中を歩きまわっては写真を撮り、神戸の色を抽出していきました。その結果、2色目の「波止場ブルー(青色)」や3色目の「旧居留置セピア(茶色)」などを次々に開発しました。

3.変革する

万年筆を使ったことがない人がインクを購入するほどの人気ぶりだったため、現在アメリカや台湾を含む10カ国で輸出を行うようになりました。その結果、「KobeINK物語」開発前の万年筆販売個数は数百個だったのに対して、現在では2万個以上も販売しているのです。また2018年の日本マーケティング大賞で奨励賞を獲得しています。

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