【生物学】人はなぜ死ぬのか|進化と種の保存を解説

【生物学】人はなぜ死ぬのか|進化と種の保存を解説 生物

「人はなぜ死ぬの? 人が死ぬ理由を知りたい。 実験進化って何? 一倍体生物が死なないって本当? 生物学って何だか難しそうだな…」

こういった疑問に物理学修士の筆者が答えます。

結論

生物学的に人が死ぬ理由は「進化するため」、「劣化遺伝子を残さないため」、「ガイア理論」の3つの説が考えられています。詳細は本記事にて解説します。

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本記事の内容

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人はなぜ死ぬのか

人はなぜ死ぬのかは哲学、宗教、生物学と多くの学問で長年考えられてきました。ここでは生物学的に人はなぜ死ぬのかを「1.進化するため」、「2.劣化遺伝子を残さないため」、「3.ガイア理論」の3つの説で解説します。

1.進化するため

人は進化するために死ぬという説があります。多くの方が「今より高い能力を持つために生命は進化する」と誤解しているのですが、実は「偶然に無目的で進化する」が正解なのです。つまり進化した結果、高い能力を持つのか、低い能力を持つのかは運次第なのです。もし、人が死なずに生き続けたら、同じ個体が残り続けるということなので、進化のサイクルが遅くなります。そこで遺伝子に死のプログラムを組み込むことで、生まれる→子供を生む→死ぬという進化に必要なサイクルが早くなるので、進化できる可能性が飛躍的にアップするのです。
現代でも進化に関してはあまりわかっていません。例えばサルの祖先からヒトの祖先に進化するのに、6000万年かかっており、検証することは不可能なのです。また、もしヒトの進化を人為的に再現しようとすると遺伝子、習性、環境、気候、地形、食事、周辺の生物の条件が全く同じでなければならないので、こちらも不可能なのです。ちなみに寿命の短い生物を使って進化の検証を行う「実験進化」という分野もありますが、新しい種の誕生は成功していません。

2.劣化遺伝子を残さないため

人は劣化遺伝子を残さないために死ぬという説があります。地球に生命が誕生した頃から大腸菌は存在していました。大腸菌は分裂を繰り返して数を増やすという一倍体生物で、分裂し続ける限り死ぬことはありません。ある意味寿命がないのです。このように生物の起源をたどると、生物は死のプログラムは後から組み込まれたことがわかります。ではなぜ生物は死ぬようになったのかというと、もし劣化遺伝子が生き残ってしまうと種の絶滅に繋がるからです。例えば突然共食いを始めるような生物が誕生したとします。その生物が死なずに生き残ると同じ種を全部食べつくしてしまい、種が絶滅してしまう可能性があるのです。そこで死のプログラムが組み込まれた二倍体生物が生まれた可能性があるのです。二倍体生物は私たちヒトなど、オスとメスが協力して種を増やします。これならもし共食いを始める種が生まれたとしても寿命で死ぬため、種が絶滅する可能性が低くなるのです。

3.ガイア理論

人は地球の自己調整システムの一環のために死ぬという説があります。ガイア理論とはジェームズ・ラブロック(1919-2022)によって提唱された、「地球は生命と同じように自己調整システムは備わっている」という理論です。例えば、私たちは暑い日には汗をかいて体温を調整したり、風邪をひくと免疫力が働いてウィルスを撃退するなどの自己調整システムが備わっています。これと同じように、地球も温暖化が進んだら雲を作って気温を下げたり、植物を誕生させて二酸化炭素を減らしたりしていると考えるのです。このガイヤ理論では、人の細胞も数年で入れ替わるように、地球の細胞の1つである人間も入れ替えないと、地球存続に不都合が起こるため、寿命があると考えるのです。

4.幸福の総量を増やすため

もし人が死ななければ、働けない老人が増えます。老人には食料が必要ですが、老人は食糧を生産できません。つまり、食料の消費だけが進行するのです。現在のような飽食の時代であればそれでも村や国が機能することは可能ですが、昔であれば食糧危機に見舞われ、出生児の間引きが行われるのです。ここでいう間引きとは、老人に食料を回すために出生児を殺してしまうことです。他にもボケた老人や重病の老人で町が溢れたら、カオスな世界になるでしょう。このようなことが起きると、社会全体の幸福の総量は小さくなるので寿命があると考えるのです。

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